2017年04月26日

団塊ジュニア以上にはたまらん伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』

昔から密かに思ってた事なんですが、黒人男性のキャップの似合いっぷりっと来たら異常ですね。これに関してはアジア人はもちろん、白人なんかも全く敵わないと思います。そんな事を再認識させられた映画でもありました。

今回は、やむを得ず下品な表現を使いまくってます。
なので、続きに興味ある方は自己責任(←便利な言葉)でお願いします。

懐かしいという意味では、私(1972年生)のような団塊ジュニア真っ只中世代がギリギリ知ってる年代じゃないでしょうか?単純にこんな歌、それより下の人達がリアルタイムで知ってたら、家庭に問題があると思います(笑)

これを観に行ったのは去年の年明けでした。元旦のセカムズ発表から数日後、浮き足立ったままシネコンに行ったのを覚えてます。ハリウッド俳優アイス・キューブのファンなので、彼が10代の時にいたラップグループの自伝映画だというのが観に行った理由です。
N.W.A.と聞いて、一体どこのプロリーグだよ?と感じる方もいるかと思いますが、平成初期に活躍したアメリカの黒人ラップグループです。もちろん私もリアルタイムなんか知らなくて、このグループを脱退して俳優の道に進んだアイス・キューブを映画で初めて知り、それから元ラッパーというのを知って(←俳優業と平行して現在もソロ活動継続)グループの事も知りました。その時にはもうN.W.A.は解散して数年経ってました。

まずこちらの写真をご覧下さい↓

N.W.A.本人達。
straight-outta-compton-movie-casting-0719-1.jpg

演じるキャスト陣。
720x405-2443_d027_00280r_crop.JPG

こんな集団が前から歩いて来たら、とりあえず涙目で固まるか、良くて無言でスライドしながら横の壁と一体化です。でもよく見てみると、並び位置は違うけどどの人がどの役なのか判るくらい似てませんか?とりあえず5人中3人くらいは知らない人でも判りそうなほどそっくりな気がします。

でもって本人達とキャスト陣が全員おさまった図↓

20170412_025227.jpg

真ん中の本人がいないのは本当に悲しいです。彼が生きてたら、きっと若い俳優達に色んなアドバイスしてあげたんだろうなと思います。イージー・Eが亡くなって、今年で22年になりました。

黒人差別や彼らの悲しみや怒りをテーマにした映画や歌は数あれど、単細胞なもんで「いやいや、黄色なんて一歩間違えりゃ黒以下なんですよ(笑)」なんて脳内で毎回突っ込んでました。まぁこんな平和な島国で何言ってんだよと、アイス・キューブが聞いたら蹴り入れられそうなツッコミですが。
でも確か言ったのはDJイェラだったかな?俺達は黒人だから黒人の怒りをラップにしてるけど“理不尽な仕打ちを受けた怒り”を持った事があるなら人種無関係に理解してくれる人達は一定数いるんじゃないかな…みたいな事をインタビューで語ってました。まさにそれで、しかも一定数どころじゃなかったから、こんなにも支持された訳ですよね。私もその一人です。

ただ、いかんせん基本は昔も今も「キューブ可愛いー!カッコイイー!」なテンションなので、キューブ脱退後のN.W.A.には「嫌いじゃないけど、そこまで魅力を感じない」のは確かです。ツウの人は口を揃えてキューブ脱退後の楽曲の完成度を称えてるんですけどね、私はツウでも何でもない単なる“キューブ好き”なもんで(笑)
でもこの映画で初めて知った事たくさんあったし、何よりドクター・ドレーの清々しいまでの“自分大好き”っぷりが素晴らしかったです!



初めてラップしたイージーのシーン。おいおい可愛過ぎだろ!「一人ぼっちだ」とか、あんたホントに元ギャングなの?!と悶絶した序盤の名場面ですが、待て待てドレー…あなた本来イージーのパシリでしたよね?何でそんなカッコイイお兄さんキャラになってんだよ。マジで顔面も性格も“イケメン補正”し過ぎです(笑)
まぁ、才能ある人を煽てるのが上手いって意味ではリアルな再現かもですが。その技量で将来エミネムやケンドリック・ラマーを世に送り出すわけだから。
にしても、このイージーを褒めるドレーの台詞回しが最高。どんだけナチュラルにファ○ク混ぜるんだよ。マザーファ○カー日曜日にマザーフ○ッカー64て何ですか(笑)

このシーンだけじゃないけど、この映画がホントに凄いのはストーリーの面白さは当然、俳優達の演技です。そしてカメラワークの素晴らしさです。劇場公開時、色んな方が色んな解説してましたが、何で誰もそこを掘り下げてくれなかったんだろう?N.W.A.がどんなグループだったかなんて映画観る人は知ってるし、知らない人は自分で調べるでしょ。それにN.W.A.全く知らない人でも普通に楽しめる青春映画として成り立ってます。
一番ムカついたのが、ある音楽ジャーナリストの解説。主演の5人の若手俳優は正直“誰やねん”って感じなので…ってのから始まって、映画の内容じゃなくずーっと音楽の話してんの。もう聞いてて「はあああああ?!(怒)」でした。
音楽ジャーナリストなら仕方ないけどさ、これはドキュメンタリーじゃなくて完全な劇映画な訳ですよ。その人だけじゃなくて、プロの映画評論家という人達も、誰もそっち方面解説しないってどういう事よ?

自分の役に自分の息子を配役したキューブに一瞬「え、キューブ……ウィル・スミス並みの親バカだったの?」と誤解しかけたけど、そういう文句は想定内だから撮影の前に何年もかけて(企画が始まったのは2009年頃)息子に演技の特訓したエピソードとか、語ること他にたくさんあるだろ!

20170427_054942.jpg
(↑購入したパンフより)

この5人中の「ウォーキング・デッド」率が高いとか、MCレン役のオルディス・ホッジは「ダイ・ハード3」のサミュエル・L・ジャクソンの甥っ子2人の小さい子の方で、ハリウッドの子役にありがちな酒にも麻薬にも走らず立派に成長したけどこんなイケイケの役もやれるとは流石役者だな〜♪とか、ホントに色々あるだろ!

『8 Mile』や『ハッスル&フロウ』という名作ヒップホップ映画(←ちなみに両方アカデミー歌曲賞受賞)はありましたが、放送禁止用語炸裂の楽曲はノミネート無理でも、白人マネージャーのジェリー・ヘラー役であるポール・ジアマッティはオスカー助演男優賞にノミネートされるべきだと思う演技でしたね〜。
カメラワークで言えばデトロイトでのライブシーン。「Fuck tha Police」に入る前、カメラが観客側から中指突き立てるキューブにぐるっと回りながら寄っていくカットとか最高です。このライブシーンをスクリーンで観れてホントに良かった。
あと笑えるシーンと言えば、メンバーのホテルでの乱交シーン。銃持った男が入ってこようとする所からイージーがそいつに声かけるまでノーカット長回しなのが地味に凄い。何気ないカットだけどNG出したら裸の女の子達大変だな〜とか余計な心配もありましたが、キューブ本人は息子の乱交シーン観てて平気だったのかな(笑)でもよく観たらキューブJrは女の子膝に乗っけてるだけで大した事してませんね(笑)その辺思いっきり“本番”中だったイェラ役はさすがベテラン(このメンバーの中では)の俳優さんだな〜とか思ったり。
中盤N.W.A.を脱退したキューブがブチかます「No Vaseline」がほぼフルコーラスでかかるシーンも大好きです。これってキューブファンへのサービスシーンかと思ったくらい(笑)思いっきりN.W.A.ディスりの強烈な歌詞なのに、あまりにもカッコ良過ぎるラップ。メンバーには悪いけど私はウットリしまくりでした。
今まで散々黒人差別に苦しんできたメンバー達が、その歌詞の中のユダヤ人差別用語にブチ切れるジェリーに黒人全員でドン引きしてるのも正直笑ってしまいました。
その後のインタビューシーンでのキューブの台詞「俺は反ユダヤじゃない。反ジェリー・ヘラーなんだよ」ってのはメッチャ共感しましたね。民族単位じゃないんだよって事ですよね。それが実際にイェラが言ってた人種云々じゃないってのに繋がるんですが。
ただね、あくまでも愛情を込めた文句ですが、俺達はギャングじゃない!って事を散々歌ってきたN.W.A.ですが、私は充分ギャングだと思います。幾らアメリカ人だからって、一般的な普通のアメリカ人はあんなに慣れた感じで銃なんか扱えないと思います(←乱交シーン参照)

ラストにかかる表題曲でもある「Straight Outta Compton」。これはホントにカッコイイです。この曲を初めて聴いた時、何がビックリしたって、AメロだのBメロだの無しでいきなりサビがドン!ドン!ドン!と3連発きて終わってるとこです。今じゃそんなラップたくさんあるんだろうけど、当時はこんな楽曲聴いた事なくてホントに衝撃でしたね。
ある音楽ジャーナリスト(上記とは別の人)が言ってたんですけど「最初にゴッツイ声(キューブ)、次に普通の声(レン)、最後にビックリするくらい甲高い声(イージー)」と表してたのに私は別の意味でビックリしました。
アイス・キューブの声は確かにパンチはあるけど、私の中ではずっと“美声”カテゴリでした(笑)これは我らが智くんにも通ずる事なんですが、ずっと聴いていたい心地良い声というか。それは今でも変わらないですが、そうか…キューブって“ゴッツイ”声だったのか。人によってイメージって全然違うんだな。
あと、レンを普通の声って(笑)いや、確かに普通かもしれないけど、素人が聴いてもハッキリ判るくらいラップスキルは3人の中でダントツに上手いと思います。さすが芸名がMCレンってだけあります。キューブもレンも、この時まだ18歳ってのも凄いよな〜。
でもって最後に来るイージー。甲高い声に加えて、ファンも認める(?)ド下手さ(笑)この落差がいいですね。よりによってレンの後じゃ尚更下手さが際立ちます。が、それを含めて名曲なんですわ。



歌い出しの歌詞が「マザーファ○カー野郎ども、コンプトンからクレイジーなアイス・キューブが来たぜ!」なのか「クレイジーでマザーフ○ッカーなアイス・キューブがコンプトンから来たぜ!」なのか軽く悩んだのは遠い昔の良い思い出です。
posted by O-S at 23:00| その他